女性にとって必要な温めるケアとは

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なぜ女性のからだは冷えるのか

女性の多くが抱えている「冷え」。なぜこれほどまでに女性のからだは冷えるのか。その要因は大きく3つあります。

女性のからだが冷えやすい3つの理由
  1. 筋肉量が少ない
  2. 毎月の月経で血液を失う
  3. 交感神経優位の時間が多い

1. 筋肉量がつきにくい

筋肉は「からだを動かす」という役割だけでなく、筋肉運動が血液やリンパ液を全身に届けるためのポンプの役割も担っています。そのため、筋肉量が少ないと全身に酸素や栄養を届けられないだけでなく、老廃物や余分な水分を解消できないため、冷えやむくみやすくなります。

筋肉のあるからだは基礎体温が高く、熱が生まれやすいので体温も高くなります。だから男性の方が女性よりも冷えを感じにくいのです。

そして、女性のからだは男性に比べてホルモンの関係で筋肉が付きにくいため、冷えやすく、むくみやすいという特性を持っています。

2. 毎月の月経で血液を失う

血液は全身に栄養と酸素、そして熱を運んでくれます。女性は毎月の月経で血液を体外に排出してしまうため、血液の量が定期的に失われるため、からだに熱を届ける力が低下してしまうため冷えやすくなります。

3. 交感神経優位の時間が多い

ストレス社会を生きる現代女性は、自律神経の中でも緊張状態である交感神経が優位な状態が長時間続いています。交感神経優位の状態とは、血管を収縮させ、からだの末端への血流を抑制してしまいます。そのため、からだの末端が冷えやすくなります。

東洋医学における「冷え」とは

冷えは万病の元

東洋医学では、「冷え」は未病(病気の一歩手前、病気になる前の状態)とされ、「このまま放っておくと何らかの病名がついてしまうような症状になる可能性があるので、その前に積極的に治しましょう」という考え方をしています。

冷えているということは血流が悪く、細胞に血液がしっかり送られていないという状態です。つまり、細胞に必要な酸素と栄養素、ホルモンが十分に届かず、不要な二酸化炭素と老廃物が細胞に溜まってしまっているということです。

冷えからくるからだの不調

冷えが招くからだの不調には以下のようなものがあります。

  • 頭痛
  • 頭が重い
  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 首肩のこり更年期の症状(多汗、ほてり、イライラ)
  • 腰痛
  • 腹痛
  • 月経痛
  • 便秘
  • 下痢
  • 頻尿
  • むくみ
  • 不眠

これらの不調を病名がつくようなことにならないよう解消するのが温めるケアです。

できるだけリラックスして、からだを温かくし、毛細血管にたっぷり血液を流して、細胞一つひとつに酸素や栄養素やホルモンが届いている状態をつくることが大切です。

冷えは女性特有の悩みを引き起こす

温めるケアはそのまま女性ホルモンケア、婦人科ケアにつながります。冷えは女性特有の悩みにもつながるといわれています。当サロンでも女性特有の悩みを抱えている人たちは皆さん、内蔵、子宮周辺が冷えて血流が悪いです。血流がしっかり届いていないので、細胞の機能が低下しているのです。

生理痛や生理不順、PMSは本当に多くの方が抱えている悩みであるため、「それらの不調があっても別に大したことない」と思っているのか、そのまま放置している方も多くいます。

更年期の不調にも温めるケアを

更年期というのは卵巣機能が低下し、視床下部からホルモンを出す指令を卵巣が実行できなくなり、脳が混乱。その結果、自律神経が乱れてしまい、さまざまな症状が現れる時期です。

自律神経のうちリラックス状態である副交感神経は、年齢を重ねるについてその機能が低下してしまします。つまり、交感神経が優位になりやすいということ。上でもお話したように、交感神経が優位な状態は血管を収縮させ全身への血流を抑えてしまうため、温めるケアと同時に意識的にリラックスした時間を作って副交感神経を優位にすることを心がけてください。

冷えは不妊にもなりかねない

冷えによる血流の低下は、卵巣機能を低下させてしまいます。卵巣機能が低下すれば、当然ホルモンを作る機能も低下してしまいます。

また、子宮に十分に血液が巡っていれば赤ちゃんが10ヶ月も過ごすためのふかふかのベッド子宮が作られますが、血流が滞ってしまうと硬ーく冷えた子宮になるため着床もしづらくなるでしょう。

もし自分が赤ちゃんだとしたら、10ヶ月もの間冷え切った部屋で硬いベッドに寝て過ごしたいと思わないですよね。多くの人はパートナーができて妊娠を考えだしてから、温めるケアや妊活ケアを始めたりしますが、私はそれ以前からそういったケアをしておくべきだと思います。きっと女性の皆さんならそれは理解されているでしょう。

この記事を見たことをきっかけに今日から温めるケアを始めましょう。

温めるケアで目指すは「頭寒足熱」

日本には昔から「頭寒足熱」という言葉があります。頭を涼やかにして足元は温めると、理想的なからだの状態になるという意味です。

現代女性は、暮らしの中でからだ(特に下半身)を使うことが減り、デスクワークや頭脳労働が増えたため、下半身の冷えとともに、上の方に気も熱も重心ものぼってしまっています。

つまり、温めるケアで冷えを解消していくときには、ただ全身を温めればいいというわけではありません。積極的に温めるべきは下半身、お腹から下です。

冷えのぼせのある人が温めると暑く感じてしまうのは、上半身と下半身のバランスが変わっていないから。もともと私たちのからだは下半身と上半身の温度差があります。通常でも2度程度、冷えのぼせの人は5〜8度もの差があると言われています。

頭や手を出して子宮や内蔵から温める「よもぎ蒸し」は、まさに頭寒足熱に向けたケアといえます。

温めるケアで子宮力が向上する

女性のからだと心は、ホルモンや子宮のコンディションによって大きく左右されます。ここでいう子宮力とは、単に「子どもを産みため」のものだけではなく、「毎日を快適に過ごすため」のものでもあります。

現代では、子どもを産む産まないの選択は個人の自由です。でも子どもを産む産まないどちらにせよ、子宮力を高めることは仕事やプライベートを充実させるためにはとても大切なことです。

子宮力が高まれば、ホルモンによって心とからだを左右されることも少なくなり、きっともっと自分らしく、女性としての人生も楽しむことができるのではないでしょうか。

まとめ

温めるケアとは、未病を予防し、かつ子宮力を高めて、不調によってあれこれ考えることも減って、より女性として自由なライフスタイルを送るために必要なケアでもあると思います。もともとからだが冷えやすいという女性のからだの特性を理解したうえで、ぜひ適切に対処してください。

女性は、自分の心身のコンディションでキャリアを諦めてしまったりする方も多いといわれています。そんな人が温めるケアによって一人でも少なくなることを願っています。

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