【骨盤底筋と膣トレのすすめ】女性の“内側力”を育てるフェムケア

フェムケアと聞くと、「洗う」「保湿する」「マッサージする」という“整えるケア”がまず思い浮かびます。
ただ、フェムケアの本質はそれだけではありません。
女性の身体は、姿勢・呼吸・内臓の位置・ホルモンの変化など、多くの影響を受けながら日々変化しています。だからこそ、土台となる筋肉を「鍛えるケア」も欠かせません。その中心にあるのが、「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」です。
なぜフェムケアに“鍛える”が必要なのか?
女性の骨盤まわりはとてもデリケートで、筋肉の衰えに気づきにくい場所でもあります。そして、以下のような日常的なクセでも骨盤底筋群はゆっくり弱っていきます。
- 長時間のデスクワーク
- 猫背・反り腰
- 冷えや運動不足
- ストレスによる呼吸の浅さ
- 妊娠・出産の影響
- 加齢による筋力低下
すると、次のような不調が起こりやすくなります。
- 尿もれ
- 膣の乾燥
- 性交痛
- 冷え
- 生理痛が重くなる
- 姿勢の崩れ・腰痛
- 膣の締まりにくさ
- ぽっこりお腹
これらは「年齢のせい」ではなく、骨盤底筋群が本来の働きを失っているサインです。
膣トレ=膣だけを鍛えることではない
「膣トレ」という言葉はよく聞くようになりましたが、そもそも膣そのものは筋肉ではありません。本当に鍛えるべきなのは、膣のまわりにある骨盤底筋群という筋肉です。
骨盤底筋群とは?

骨盤の底を覆うように広がり、ハンモックのように子宮・膀胱・腸を支えている筋肉。つまりここが弱ると、臓器が下がったり、膣の感覚が鈍くなったり、巡りが滞ることで痛みや乾燥が起こりやすくなります。
さらにこの筋肉は、
- 姿勢を支える
- 呼吸と連動する
- 自律神経と深くつながる
など、女性の健康に欠かせない役割を多く担っています。
鍛えることで得られるメリット
骨盤底筋群がしっかり働くと、女性の身体にはこんな良い変化が起こります。
- 尿もれ予防・改善
- 膣のうるおいUP
- 性交痛の緩和
- 冷えやむくみの改善
- 生理痛が軽くなる
- 姿勢が整い、腰痛が軽減
- 骨盤内の血流が良くなる
- お腹のたるみにくさ
- 呼吸が深くなる
- 自律神経が安定しやすい
“フェムケアがうまくいかない…”
“何をしてもすぐ乾燥する…”
そんな人は、“鍛える”という視点が抜けているだけかもしれません。
今日から始められる、かんたん骨盤底筋トレーニング
無理なく・どこでも・誰でもできる方法だけを紹介します。
① 呼吸と合わせて行う「締める→ゆるめる」
- 背筋を伸ばす
- 息を吸うときはふわっとゆるめる
- 息を吐きながら 肛門 → 膣 → おへそへ と引き上げるイメージ
- 5秒締めて5秒ゆるめる
- 5〜10回を目安に
※「ゆるめる」ができないと逆に不調の原因になるため、必ずセットで行います。
② 椅子に座ってできる“ながら膣トレ”
- 椅子に座り、両足をしっかり床につける
- 背中を丸めず、骨盤を立てる
- 肛門→膣へと軽く締める
- 呼吸は止めない
- 肩やお尻に力を入れずに5〜10回
※ 力みすぎず、あくまで“内側の筋肉を意識する”こと。
③ 歩きながらできる「骨盤底ウォーク」
- ウォーキングのリズムに合わせて 軽く骨盤底を引き上げる
- 反り腰にならないよう注意
- 呼吸は自然に
歩くたびにふわっと引き上がる感覚がある人は、筋肉が正しく使われている証拠です。
やってはいけない、間違った膣トレ
- 呼吸を止める
- おしりや太ももを使ってしまう
- 反り腰で力む
- 膣だけ締めようとして外側ばかり働く
- 締めるだけで「ゆるめる」をしない
骨盤底筋は、“よく締まって、ちゃんとゆるむ”この両方が大切です。締めるばかりだと、逆に膣の痛みや性交痛、生理痛の悪化につながることもあります。
まとめ:フェムケアは「整える → 巡らせる → 鍛える」で完成する
洗浄で清潔に保ち、保湿でうるおいを守り、マッサージで巡りを良くする。そこに“鍛えるケア”が加わると、フェムケアはようやく本来の形になります。骨盤底筋群は、女性の一生を支えるとても大切な筋肉。1日数分のケアでも、未来の心地よさや女性性の豊かさが大きく変わっていきます。
今の自分をやさしく整えながら、「これからの自分」をもっと快適にしていくためのフェムケアをぜひ生活に取り入れてみてください。


