女性性と男性性とは?
「男性セラピストによる施術によって女性性が高まる」と言われたりしますが、そもそも女性性とは一体何なのでしょうか。
今回は、「女性性」と「男性性」の違いについてお話したいと思います。
誰でも2つの性質を持つ
男性性・女性性というのは、肉体的な性別のことではなく「ひとりの人間の中にあるふたつの性質」のことを表しています。誰でも性別に関係なく両方の性質をもっています。
「男性には男性性しかない」「女性には女性性しかない」ということではなくて、男性の中にも女性性の性質があり、女性の中にも男性性の性質があります。
男性性・女性性がどういうものなのか、イメージしやすいようにキーワードをあげてみましょう。
男性性の性質
力強さ・責任感・たくましさ・包容力・与えること・粘り強さ・リーダーシップ・論理的思考・決断力・行動力・持続力・推進力・発言力・大胆さ・計画性・合理性・客観性・自己主張・冒険・リスクをとること等
男性性の特徴を一言で言い表すのならば、「果敢な行動力」。理論的思考ができ、自分がやりたいことを粘り強く探求することができます。
能動的に外側に進んでいくエネルギーなので、とても活発な動きを伴います。目標を達成するために真っ直ぐにその道を進んで行く、状況を前進させる力があります。客観的に観察しながら、全体的に相手のことを見ています。
ただし、能動的であることで、どんなに疲れても休めないときには、男性性のエネルギーを使い過ぎてしまい燃え尽きが起こることがあります。
女性性の性質
やわらかさ・ぬくもり・包み込む・慈愛・献身・サポート・理解すること・受け取ること・感情・直感・美しさ・母性的・育む・順応性・適応力・純粋さ・共感・傾聴・情緒・流れにのる・ゆだねる・癒し等
女性性の特徴を一言で言い表すのならば、「心を察する感性」です。相手が何を求めているのかを察する能力に非常に長けています。
受容的に内側に包み込んでいくエネルギーなので、やさしく穏やか雰囲気を伴います。誰かが悲しんでいればそっと寄り添います。人の話を聞こうとするときには、せわしく動いたままで聞くことはできません。相手のことをちゃんと感じて、静かに寄り添います。
ただし、受容的であることで、自分の気持ちを内側に沈めてしまうと、女性性のエネルギーを犠牲的に使い過ぎてしまうことがあります。
男性性と女性性のバランスとは
私たちの中には、常に男性性と女性性のエネルギーが存在していて、状況に合わせて男性性・女性性がそれぞれ働くことで、物事がうまくいきやすくなります。
ところが、どちらかが過剰になり過ぎたり、過少になり過ぎたりして、バランスが偏ったときには、男性性・女性性のエネルギーがネガティブに働くことがあります。
特に現代女性は男性性が高まりやすいと言われたりしますが、たとえば、男性性に偏りすぎると、情緒に欠けてしまうので、人の意見に耳を傾けることなく、自分ひとりで何でも決めてしまう。それがリーダーシップをとることだと誤解をしているうちに、周りの人がついてこられなくなり、孤独感に苛まれるようなことがあります。
逆に女性性に偏りすぎると、共感能力があることは良いことですが、人の意見ばかりを取り込んでしまうので、自分を見失いやすくなります。特に「断る」というときには、”決断力”という男性性のエネルギーを使わなければいけませんが、それが使えないと犠牲的な生き方になることがあります。
現代女性は男性性が高まりやすい傾向にある
現代女性は男性性が高まりやすい傾向にあるとよく言われますが、それによって生きづらさを感じてしまう人も多いようです。
たとえば、自分の心が男性性ばかりに偏ると、自分が感じていることに目を向けることが疎かになり、自分にとって「何か幸せなのか?」がわからないまま、働くロボットのようになり、生きることの意味を見失ってしまうとか。
日々忙しくしていると、上に挙げた男性性の性質が強く働くことで男性性が高まりやすくなるため、そのようなことになってしまうわけです。
逆に、自分の心が女性性ばかりに偏ると、何となく流されるままに毎日を過ごしてしまい、自分の人生における「夢や目標」を達成しないまま、気づけば人の願いばかりを叶えていたとか。
少しネガティブな例を挙げましたが、あくまでもバランスです。バランスが偏ったときに人生が生きづらくなることを知っていただきたいのです。
私たちが幸せな人生を生きるためには、自分のなかの男性性・女性性のバランスが取れていることがとても大切なのです。