男性セラピストがフェムケアについて発信する理由
the CLEANESSでは、女性の心身ケアの一つとしてフェムケアについて発信をしていますが、世の中で女性のデリケートゾーンについて話す男性はあまり多くないでしょう。また私の周りでもいますが、「会社ではすぐにセクハラと言われたりしてしまう」といったことで女性と会話すること自体少なくなったという男性も多くいます。
「セクハラ」がいつからか女性が持つパワーワードとなってしまって、本来は男女が共存できる環境を整えていくべきなのに、女性がその一言によって強烈なパワーを持ってしまうため、「セクハラ」というワードについても考える必要があると感じています。
もちろん、本当に嫌な思いをしている人を守るべきものでもあるのですが…。
話が逸れましたが、今回はなぜ男性である私が女性のフェムケアについて発信するのか。その理由についてお話したいと思います。
女性のヘルスリテラシーを向上させる
現代社会では、就業人口の減少や共働き世帯の増加から、職場における女性の存在感は日々高まってきています。
女性のキャリアはからだが目まぐるしく変わる時期と重なる
一方で、女性の健康課題は、単純に年齢とホルモンだけに左右されるわけではなく、職業、働き方、出産の有無、介護の有無などの要素が複雑に絡み合っていますが、やはりホルモンの変化は働くことと密接に結びついています。
特にキャリア形成とあわせて考えてみると、会社の規模や業界、管理職になる年齢に違いはあれど、厚生労働省が2022年に発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、課長職の平均年齢は、男性48.7歳、女性49.0歳。女性にとって30〜40代は結婚・妊娠・出産を機にライフコースが目まぐるしく変化する時期であり、さらに45〜55歳は更年期となります。
つまり、仕事上の役職の変化とからだの変化が重なっているということ。
女性のからだの変化による健康課題は、キャリア形成に大きな影響を及ぼすということ。
もっと自分の心身のことを知ってほしい
働く女性が増えた一方で、月経やPMS、更年期、その他女性特有の悩みといわれる不調を抱えながら、結婚・出産・育児・介護といったライフイベント、さらに日々の仕事を同時に抱えるのはあまりにも負担が大きいものだと思います。
ライフイベントについては、制度や仕組みが少しずつ変化していっているけれど、心身の不調にはその有無や程度に個人差があることもあり、個人に委ねられている部分が大きくあります。
サロンのお客様と話していても、「月経痛が辛い」「毎月月経前に頭痛を感じる」といった不調を感じながらも、その不調がいつからか「当たり前の不調」となってしまっていて、その辛さを痛み止めを飲んだりして軽減するといった対処法までしかできていない人が多くいると感じています。
でも、たとえその痛みや不快感が薬によって軽減されたとしても、痛みが生じるということは何かしらの不具合がからだに生じているということです。その不具合をそのまま放置してしまえば、やがて病気になったり、最悪命を落としてしまうような重大な疾患につながる可能性もなくはありません。
デリケートゾーンケアから”もっと自分を知るきっかけ”に
女性の心身を大きく変化させるホルモンのバランス。そのホルモンの分泌に深い関係があるのがデリケートゾーン。
だからこそ、デリケートゾーンのコンディションについて男性が情報発信することで、「自分が自分のからだのこともっとわかってあげないと」といったマインドの変化につながればという想いがあります。
フラットな視点でフェムケアを考えられる
女性の心身の健康を考えるうえで難しいと感じていることは、その症状や程度は人によって大きく異なるということ。
それ故に、女性同士でも「あの人は何で生理痛ごときで会社休んでいるの?」とか「あの人は不調が多いけどメンタル的に弱いのでは」といったように、理解し合えないこともきっと多くあるでしょう。だから女性同士でもなかなか悩みをシェアできなかったり、相談できる人がいないことで不調に悩まされながらキャリアを諦めてしまう人も多くいるでしょう、
最近では男性でも更年期があるといわれていますが、まだ女性に比べるとホルモンの影響はそれほど多くはないとされています。
フェムテックを考えたときに、男性である私は女性が経験するような辛さを感じたことはおそらくないでしょう。そこはデメリット。でも逆に言えば、経験したことがないからフラットな視点でその人の悩みを聞いてあげることができます。だから女性同士で「話したところで理解してもらえない…」といったことはない分、悩みをシェアして共感してもらえるだけでも少し気持ちが楽になることもあるかもしれません。
まとめ
女性の社会進出が進む中で、仕事におけるキャリア形成と女性のからだが大きく変化する時期が重なることで、さまざまな悩みを抱える女性が増えていることをサロンで多くの女性とお話する中で感じています。
社会の制度や仕組みが少しずつ変わっていっているけれど、現代女性はその過渡期を生きていかなければなりません。
そんな中で大事なことは、自分のからだのこと、心のことをちゃんと自分で理解して、不具合が生じた時に適切な対処が取れるようにしておく必要があると思っています。男性である私が、知識を深めていくことは女性の皆さんへの意識づけにもなるし、知識が豊富にある人から言われるフェムケアよりも、一緒にフェムケアをはじめとしたヘルスリテラシーを学んでいこうという気持ちで発信しているので、ハードル低く「私ももう少し自分のからだのこと知ってみようかな」なんて思うきっかけになったらと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございます。ぜひこれをきっかけに自分のことをもっと知ることを始めてみてください。
きっと今よりももっと自分のことを大切にしようと思うし、辛い不調を感じる日が1日でも少なくなることでしょう。