産後クライシスと自律神経の関係
女性のライフステージが 大きく変わるタイミングはいくつかあります。
その中でも、身体的な変化や負担が重い出産前後、そして子育てが急に生活の中心になってくる時期は、まさに大きな変化といえます。
特に、多くの方がもっとも辛いと感じるのは、出産直後から半年程度の期間。
自律神経が未発達な赤ちゃんは、大人とは睡眠のサイクルが全く違います。この間、ほとんどの人は満足にまとまった睡眠をとることが難しくなります。
そして、まだ言葉を発しない赤ちゃんの健康状態は、いつでも気になって当然です。
何を訴えて泣いているのか、何をしてあげるべきなのか。気を抜けない状況が続くことで、強いストレスがかかります。
ようやく子供が成長してくると、今度は幼稚園や保育園に通わせたりする中で、新しいお付き合いも増えていきます。
育児休暇を終えて仕事に復帰する人は、出産前に比べて仕事の仕方も大きく変わってきます。こういった変化が連続するのですから、ある意味、ストレス過多でイライラするのも当然のことです。
出産後はホルモンの減少と生活の変化で自律神経が乱れがち
産後に起きるイライラ、いわゆる「産後クライシス」も、かなりの部分は自律神経の乱れからくると言われています。
まず、産前産後の身体的な変化は、当然、自律神経に影響を及ぼします。特に産後は、それまで出産に備えていた体が一気に戻ろうとし始めます。具体的には、出産前に抱えて増えていた女性ホルモンが、出産後、急に減少してしまうのです。
そこへさらに乳児の子育てという、初めての体験が重なるわけです。
慣れない子育てには、新しい知識の吸収やしたことのない家事の増加、夜泣きと授乳による睡眠不足、子どもの成長に伴う環境の変化…と、ストレスや不規則な生活習慣を呼び込むしかない状況が絶え間なく続きます。
新しい命を育む喜び、子どもが成長していく様子を間近でみることは感動的で、ときにはストレスを緩和してくれることもあるでしょう。しかし、大切な命だからこそ、強い責任感を持ち、ミスを犯してはならないという思いから、自律神経の乱れが生じるのは当たり前です 。
育児の合間に、自分自身の自律神経を気遣ってあげることも、ぜひあらかじめ覚えておくと良いでしょう。